「からうじて、あるにもあらずいらふ。人ごころ憂きには鶏にたぐへつつ なくよ ...

        「あこきが臥したる所も近ければ、泣いたまふ声もほのかに聞こゆれば、さればよ ...

        「「こはなぞ。御格子の鳴りつるを、なぞと見む」と言へば、「犬ならむ、鼠なら ...

        「心のうちには、衣どもぞ萎えためる、恥づかしと思はむものぞと思ほしけれど、 ...

        「少将、「いかに。かかる雨に来たるを、いたづらにて帰すな」と宣へば、帯刀「 ...

        「「うたて、心無しと見しられたるやうにこそ。人に知られぬ人は無心なるこそよ ...

        「ののしりて出でたまひぬれば、かいすみて心ぼそげなれど、わが君とうち語らひ ...

        「いとわりなきことも。よくはべなり。さぶらへとあらば参らむ。かくをかしきこ ...

        「いみじう物のつつましきうちに、かやうの文もまだ見知らざりければ、いかに言 ...

        「時雨いたくする日、「さも聞きたてまつりしほどよりは、物思し知らざりける」 ...

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